Microsoft Clarityの公式ドキュメント
https://learn.microsoft.com/en-us/clarity/setup-and-installation/clarity-masking#using-the-clarity-data-clarity-mask-api
に従って、個人情報をマスクするためのAPIに関する内容を、ウェブページの実装担当の方向けに説明いたします。
Clarityは、ウェブサイト上のユーザーの行動を分析するツールであり、ユーザーの個人情報や機密データが記録されないよう、デフォルトでマスキング機能が有効になっています。
参考にさせていただいた記事
Clarityのマスク(マスキング)機能について
https://ppc-log.com/measurement_tools/microsoft-clarity/3887/
Clarityでは、以下の3つのマスキングモードが提供されています:
Strict(厳格): ウェブサイト上のすべてのコンテンツがマスクされます。
Balanced(バランス): 数値やメールアドレスなど、機密性の高いコンテンツのみがマスクされます(デフォルト設定)。
Relaxed(緩和): コンテンツはマスクされませんが、入力ボックスやドロップダウンメニューの内容は引き続きマスクされます。
ウェブサイト全体のマスキングモードに加えて、特定の要素を個別にマスクまたはアンマスクすることが可能です。これにより、DOM内の特定の要素やその子要素に対して、マスキング設定を上書きできます。
マスキングモードの設定:
Clarityの管理画面で「設定」>「マスキング」に移動します。
「マスキングモード」から、希望するモードを選択します。
要素ごとのマスキング設定:
「設定」>「マスキング」で、「要素を追加」を選択します。
マスクまたはアンマスクしたい要素のCSSセレクターを入力し、「確認」をクリックします。
追加後、必要に応じてマスクとアンマスクを切り替えることができます。
HTMLの特定の要素に属性を追加することで、直接マスキング設定を行うことも可能です。
コンテンツをマスクする:
該当するHTML要素に data-clarity-mask="true"
属性を追加します。これにより、その要素とその子要素の内容がマスクされます。
コンテンツのマスクを解除する:
該当するHTML要素に data-clarity-unmask="true"
属性を追加します。これにより、その要素とその子要素の内容のマスクが解除されます。
入力フォームの要素
ユーザーの名前、メールアドレス、電話番号などの個人情報が入力されるフィールド。
<input type="text" name="username" data-clarity-mask="true"> <input type="email" name="email" data-clarity-mask="true">
表示された個人情報を含む要素
ページに直接表示されている個人情報(名前や住所など)。
<span data-clarity-mask="true">山田 太郎</span> <p data-clarity-mask="true">東京都渋谷区○○○</p>
カスタマイズされたコンテンツが含まれる要素
ウェブページに動的に表示されるデータやユーザー情報(例: ショッピングカートの商品情報やユーザープロファイル)。
<div data-clarity-mask="true"> ユーザー情報: 山田 太郎 </div>
リンクやボタンに含まれる情報
ユーザーの個別IDや情報が含まれている場合。
<a href="/user/12345" data-clarity-mask="true">ユーザープロファイル</a>
特定のクラスやIDを持つ要素
CSSセレクターを指定することで、同じ種類の要素を一括してマスキング可能。
<div class="user-details" data-clarity-mask="true">個人情報</div>
マスキング設定の変更は、新しい記録に対して適用され、反映されるまでに最大1時間かかることがあります。既存の記録には遡及的に適用されません。
入力ボックス内のコンテンツやドロップダウンメニューの選択肢は、すべてのモードでデフォルトでマスクされ、カスタマイズはできません。
現在、Clarityはスタイルシートやstyleタグ内のコンテンツをマスクしないため、CSS内に機密情報を含めないことを推奨します。
これらの設定を適切に行うことで、ユーザーの個人情報を保護しながら、Clarityを活用してウェブサイトのユーザー行動を分析することができます。