Google Analytics 4(GA4)を使っていると、分析データが「サンプリング」されているという表示を見たことはありませんか? この記事では、GA4におけるサンプリングの仕組みや発生条件、回避方法までをわかりやすく解説します。
GA4でレポートを見ているときに、赤いビックリマーク(!)が表示されたことはありませんか?それは「サンプリング”が発生しているサイン」です。
サンプリングとは、すべてのデータを対象にせず、一部のデータ(サンプル)を元にして集計や分析を行う手法のことです。
例えば、100万件のアクセスログがある場合、全てを分析するのではなく、1万件だけを抽出して傾向を推測するというような形です。
これは、処理の高速化やリソース削減のために行われますが、分析の精度に影響を与えることがあります。
GA4は、Universal Analytics(UA)と比べてサンプリングが発生しづらくなったとはいえ、次のような条件ではサンプリングが行われます:
サンプルの上限は1,000万件
上限を超えるとサンプリングされます
標準レポートでカバーできない自由な分析をした場合、サンプリング対象になりやすい
たとえば1年以上のデータを対象にした場合、サンプリングが発生しやすくなります
サンプリングが行われることで、以下のような問題が起こることがあります。
正確な数値が得られない
全体ではなく一部のデータに基づくため、誤差が出る
セグメント分析に不向き
小さなセグメント(例:コンバージョンしたユーザー)を分析するときに誤差が大きくなる
再現性が低い
同じ条件でも結果が変わることがある
サンプリングを避けるには、以下のような方法が有効です。
GA4の標準レポート(例:集客概要、エンゲージメントレポートなど)は、基本的にサンプリングされません。カスタマイズ可能な範囲もあるため、工夫次第で十分な分析が可能です。
対象期間を短くする(例:1週間単位)し、使用するディメンションや指標を限定することで、サンプリングを回避できることがあります。
全データをエクスポートしてSQLで自由に分析できます。大規模なデータを扱いたい場合や再現性を重視する場合は特におすすめです。
※BigQueryは無料枠もありますが、データ量や分析内容によっては課金が発生します。
「GA4はサンプリングされない」は誤解
標準レポートはされませんが、探索レポートや自由分析では普通に発生します
レポートの見た目が正確に見えても中身が違うことがある
数値の端数や割合をよく見ると違いが出ているケースもあります
サンプリングの回避方法のひとつとして「BigQuery連携」を紹介しましたが、実はそれだけにとどまりません。
BigQueryを活用することで、より高度で自由度の高いデータ分析が可能になります。
たとえば、以下のような使い方があります。
■ ユーザー単位の行動追跡
BigQueryに出力されたイベントデータをもとに、特定ユーザーの行動履歴(流入経路〜CVまで)を再現することができます。これにより、理想的なユーザー動線や離脱ポイントが明確になり、改善のヒントが得られます。
■ KPIの柔軟な可視化・集計
GA4だけでは難しい「カスタム条件での集計(平日/休日の比較、特定セグメントの月別推移など)」も、BigQueryを使えば簡単に分析することができます。Looker Studioと連携することで、定点観測レポートの自動化も実現できます。
・GA4のサンプリングは、データ量や分析条件によって発生してしまう。
・サンプリングが発生したら、期間を絞る・標準レポートを活用するなどで回避する。
・BigQueryを活用すれば、サンプリング回避はもちろん、柔軟な集計やユーザー単位での詳細な分析が可能になる。
BigQueryの導入は難しそう、導入しても活用しきれないのでは?という不安があれば、弊社にご相談ください。BigQueryやLooker Studioの活用支援も行っています。また、 「自社サイトのどこを改善すべきか知りたい」「数字を元に説得力ある改善提案がほしい」など、お悩みがあればお気軽にご相談ください。