GA4:1回のセッション内で、5回以上のページビューが発生したことをトリガーに、特定のイベントを計測したい
Photo by rothwellden on Unsplash

GA4:1回のセッション内で、5回以上のページビューが発生したことをトリガーに、特定のイベントを計測したい

    本記事では、GA4で「1セッションに5回以上のページビュー」を条件にイベントを計測する具体的な実装方法を、コード不要なオーディエンストリガー活用法と、Google タグマネージャー(GTM)を用いる高度な手法の2つに分けて詳細解説します。

    • GA4の標準機能で「5回以上のページビュー」を条件にイベント発火できる方法

    • GTMを使ってリアルタイムかつ柔軟なイベント計測を行う方法

    • 各方法のメリット・デメリット

    • 実装時の注意点・活用方法

    1. 前提となる知識

    2. 方法1:GA4オーディエンス+オーディエンストリガーで実現(コード不要)

    3. 方法2:GTMでページビュー回数をカウントし、5回目到達時にイベント発火

    4. 2つの方法の比較表

    5. よくある質問(FAQ)

    6. まとめ


    セッションとpage_viewイベント(GA4)
    GA4ではpage_viewイベントがデフォルトで計測されており、session_startイベントを契機に1セッションが定義されます。セッション内でのページビュー数は、ユーザー行動の深さを測る重要な指標。これをトリガーとして別イベントを発行すれば、リマーケティングや分析の精度を高められます。

    実現の考え方

    • GA4の標準UIで実施する方法:オーディエンスとオーディエンストリガーを使い、コーディング不要で条件達成時にイベントを生成します。

    • GTMで実施する方法:JavaScriptやsessionStorageを用いてページビュー回数をカウントし、5回目到達時にGA4イベントタグを発火します。即時性に優れ、柔軟性が高いです。


    GA4には「オーディエンス」という機能があり、特定条件を満たしたユーザー群を抽出できます。また、「オーディエンストリガー」を使えば、そのオーディエンスにユーザーが入った瞬間に独自イベントを発生させることが可能です。
    これを利用すれば、「同一セッション内で5回以上のpage_viewがあった」という条件でオーディエンスを組み、その達成時にイベントを作り出せます。

    1. オーディエンスの作成

      1. GA4プロパティの管理画面にアクセス

      2. 左メニュー「構成」>「オーディエンス」から「新規オーディエンス」作成

      3. 条件設定でpage_viewイベントに対して「同一セッション内でイベント発生回数 >= 5」と指定

      ↑オーディエンスの設定例:

      4. オーディエンスを保存

    2. オーディエンストリガーの設定

      1. 「構成」>「オーディエンストリガー」を開く

      2. 先ほど作成したオーディエンスを選択

      3. 「ユーザーがオーディエンスに入ったときにイベント発行」を有効化

      4. イベント名(例:high_engagement_session)を指定

      5. 保存

    • メリット

      • コード不要で、マーケターやアナリスト単独で対応可能

      • GA4標準機能のみで完結

    • デメリット

      • オーディエンス更新にはラグが生じる可能性あり

      • 即時性に欠けるため、リアルタイム施策にはやや不向き


    Google タグマネージャー(GTM)を用いると、ブラウザ側でカウンタを走らせ、ページビューごとに数値をインクリメントできます。5回目到達時点でカスタムイベントをGTMから発火し、GA4に即時反映できるため、リアルタイム性・柔軟性が高まります。

    1. ページビューカウント用変数作成(GTM)

    • GTMで「変数」>「新規」>「ユーザー定義JavaScript変数」を作成

    • 下記コード例を変数内に記述:

    function() {
      var count = sessionStorage.getItem('pv_count') ? parseInt(sessionStorage.getItem('pv_count'), 10) : 0;
      count++;
      sessionStorage.setItem('pv_count', count);
      return count;
    }
    
    1. トリガー設定

      • ページビュー発生時ごとに上記変数を参照(もしくはDOM Ready後に変数を評価)してカウントアップ

      • 5回目達成時に{{pv_count}} equals 5という条件でカスタムトリガーを作成

    2. GA4イベントタグ発火

      • GA4イベントタグを作成し、トリガーに「pv_count == 5」の条件を割り当て

      • イベント名:fifth_pageview_reached などわかりやすい名前を付ける

    3. テスト・デバッグ

      • GTMのプレビューモードでページをリロードしながら正しく5回目でイベントが走るか確認

      • GA4のDebugViewでもイベントが即時送信されるかをチェック

    • メリット

      • リアルタイムでイベント発火可能

      • ロジックを柔軟にカスタマイズ可能(「5回」以外にも自由に条件拡張)

    • デメリット

      • GTM実装知識やテストが必要

      • 開発担当者との連携が必要な場合も



    Q1.「5回」ではなく、10回や特定のページ名で条件を付けられますか?

    • GA4オーディエンス利用の場合:オーディエンス作成時にイベント回数や条件を調整可能です。ただし自由度はオーディエンス機能で定義可能な範囲内に限られます。

    • GTM利用の場合:変数やカウントのロジックを変更すれば任意の回数・条件に対応可能です。

    Q2. リアルタイムで広告配信などの施策に利用できますか?

    • オーディエンス方式はラグがあるため、即時反映は難しいです。一方、GTM方式ならイベント発火が即時なため、リアルタイムでの施策連動(例えばヒートマップツールとの組み合わせや、Firebase等へのイベント連携)も可能です。

    Q3. プライバシーへの影響はありますか?

    • ページビュー回数は個人情報に該当しませんが、実装時にはクッキーやsessionStorage利用ポリシー、プライバシーポリシーへの言及など、コンプライアンス面に注意しましょう。


    • 簡易な方法が良い場合:GA4の「オーディエンス+オーディエンストリガー」がおすすめ。コード不要で管理画面からサクッと実現できます。

    • 即時性や柔軟性が必要な場合:GTMでカウントアップし、5回目発生時に即時イベント発火させる方法が有効です。

    どちらの方法を選ぶかは、運用体制・スキルセット・即時性の要求度合いによって異なります。
    「1セッション内で5回以上ページビューが発生した際のイベントトラッキング」は、エンゲージの高いセッションを的確に捉える有用な施策です。自社サイトやアプリの状況に合わせて、ぜひ活用してみてください。

    アンド,エー株式会社
    facebookTwitterDiscord

    and,a株式会社(and,a Inc. アンド,エー株式会社)

    〒153-0063 東京都目黒区目黒1-4-16 目黒Gビル7階

    Copyright © 2017-2025 and,a Inc. All Rights Reserved.