GA4「セッションの参照元 / メディア」と「参照元 / メディア」の違い
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GA4「セッションの参照元 / メディア」と「参照元 / メディア」の違い

    GA4の探索でディメンションを選択する際に、セッションの参照元 / メディア」「参照元 / メディア」の違いについて疑問に思った時に読んで頂きたい記事です。

    公式ヘルプ「 [GA4] トラフィック ソースのディメンションのスコープ」( https://support.google.com/analytics/answer/11080067?hl=ja#zippy=%2C%E3%81%93%E3%81%AE%E8%A8%98%E4%BA%8B%E3%81%AE%E5%86%85%E5%AE%B9 )の説明に従って解説します。

    とある e コマースサイトの顧客であるAさんは、Google 検索の検索結果でこの e コマースサイトを知りました。Aさんは検索結果をクリックし、e コマースのウェブサイトにアクセスしていくつかの商品を閲覧した後で、ニュースレターに登録しました。

    数日後、Aさんはメール マーケティング キャンペーンのリンクをクリックしてウェブサイトに戻り、商品を購入します。

    Aさんのたどった経路は以下のとおりです。

    1 週間後、Aさんは Google 検索に表示された広告をクリックし、商品を閲覧してショッピング カートに追加し、商品ページをブックマークします。3 番目のセッションの途中で、Aさんは外部のサイトに行って、バナーをクリックしました。そのリンクには、UTM パラメータ utm_source="partner" utm_medium="affiliate" が設定されていました。これは、アフィリエイトリンクです。その週末に、Aさんはブックマークを使って商品ページを開き、ショッピング カートに移動して商品を購入しました。

    Aさんのたどった経路は以下のとおりです。

    GA4で次の結果が表示されます。

    「ユーザーの最初の参照元 / メディア」は、ユーザー単位で割り当てられ、最初のセッションでユーザーを獲得した「参照元 / メディア」を表します。

    「セッションの参照元 / メディア」は、セッション単位で割り当てられ、セッションの起点を表します。直接の訪問、すなわち、direct / (none) で開始されたセッションは、そのユーザーの最後に確認された「参照元 / メディア」に関連付けられます。

    上記の表で分かりにくいのは、「セッション4」の「セッションの参照元 / メディア」です。utm_source="partner" utm_medium="affiliate" は、「セッション3」の途中で出現しています。「セッション4」のセッション開始時に、Aさんはブックマークを使いましたので、その時の「参照元 / メディア」は、direct / (none) なのですが、「セッション4」の「セッションの参照元 / メディア」は、direct / (none) にはなりません。

    直接の訪問で開始されたセッションは、そのユーザーの最後に確認された「参照元 / メディア」に関連付けられます。

    というルールが適用されて、「セッション4」の「セッションの参照元 / メディア」は、utm_source="partner" utm_medium="affiliate" となります。この「過去に遡る」というルールが分かりにくい点です。

    まず前提として、今回見ているサイトでは、次の3つのイベントがコンバージョンに設定されているものとして、以下の説明をご覧ください。

    first_visit purchase add_to_cart

    次の表は、上記の例でトリガーされたイベントごとのコンバージョン数を示しています。表には、ユーザーが各コンバージョン イベントをトリガーするために使用したコンバージョン経路などが含まれています。view_item イベントは 2 回トリガーされたものの、コンバージョンとしてマークされないため、コンバージョン経路が含まれていません。

    コンバージョン数とコンバージョン経路は、以下のように定義されます。

    まず、「セッションの参照元 / メディア」は、セッション開始時の「参照元 / メディア」というイメージは合っているのですが、

    直接の訪問で開始されたセッションは、そのユーザーの最後に確認された「参照元 / メディア」に関連付けられます。

    というルールの存在が、「セッションの参照元 / メディア」を少々分かりにくいものにしているのではないでしょうか。

    次に、「セッションの参照元 / メディア」ですが、これはイベント発火時の「参照元 / メディア」というイメージは合っているのですが、上記の例で見たように、view_item イベントは 2 回トリガーされたものの、コンバージョンとしてマークされないため、最後に観た表のview_item イベントの行の「コンバージョン経路」は、空欄になります。

    「参照元 / メディア」はイベントに紐づくのだが、コンバージョンとしてマークされていないイベントには紐づかない、という点が分かりにくい点です。

    しかしこの分かりにくさは、「参照元 / メディア」はアトリビューションの計算ために存在しているという目的が分かれば、コンバージョンに設定されていないイベントには紐づかないという理由も納得できるのではないでしょうか。

    直前で「参照元 / メディア」はアトリビューションの計算ための存在していると書きましたが、それは半分正しくて、半分間違っているとも言えます。なぜなら、ここまで何度も登場した、

    直接の訪問で開始されたセッションは、そのユーザーの最後に確認された「参照元 / メディア」に関連付けられます。

    というルールにおいても「参照元 / メディア」のデータは使用されるからです。

    アトリビューションの計算においては、GA4のプロパティ設定で選択した「アトリビューション モデル」に応じて、各「参照元 / メディア」にコンバージョンの貢献度が割り当てられます。

    ちなみに、「アトリビューション」とは、ウェブサイトやアプリへのユーザー訪問やコンバージョン(目標達成)に至る過程で、どのマーケティング チャネルや接点がどの程度影響を与えたかを評価する仕組みのことを指します。

    この例では、デフォルトのデータドリブン アトリビューション モデルを使用しています。「参照元 / メディア」のアトリビューションは、コンバージョンとしてマークされたイベントにのみ適用されます。

    : Google アナリティクスでは、ユーザーがたどったコンバージョン経路の各タッチポイントに対して異なる重み付けが行われます。上記の数値は説明用であり、各タッチポイントに対して行われた重み付けを正確に反映しているとは限りません。

    今回の記事はここまでとなります。

    最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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