下記は、リード獲得(Lead Generation)の測定にあたって、オンライン・オフライン両方のリード獲得ファネル全体を計測したい場合に推奨されるイベントの一覧です。これらのイベントは、BtoB セールス、自動車販売、保険など、オフラインでコンバージョンが発生するケースに特に役立ちます。
イベント名 ユーザーがこんな行動をしたらトリガーされます
generate_lead:オンラインフォームの送信、またはオフラインで情報を提出した
qualify_lead:リードとしての要件を満たす(見込みあり)と判断された
disqualify_lead:何らかの理由でリードとして不適格(見込みなし)と判断された
working_lead:代表者(セールス担当など)から連絡を受ける、または代表者に連絡した
close_convert_lead:実際の顧客(コンバートされたリード)になった
close_unconvert_lead:何らかの理由で顧客(コンバートされたリード)にならなかったと判断された
以下では、GA4で推奨されている 6 つのリード獲得関連イベント(generate_lead, qualify_lead, disqualify_lead, working_lead, close_convert_lead, close_unconvert_lead)について、それぞれ「どのような場面で活用するか」の例と、「GTM(Google Tag Manager)を使った具体的な実装例」をご紹介します。
ユーザーがオンラインフォームを送信し、問い合わせ情報や資料請求などを行ったとき
チャットボットで問い合わせを完了したとき
店舗や展示会などで名刺情報を読み取って、オフラインでリード情報を登録したとき
GTM の「フォーム送信」トリガーを使用し、問い合わせフォームを送信したタイミングでトラッキングできるように設定します。
例えば、送信ボタンが押された後、サンクスページに遷移する場合は「ページビュー」トリガーでも代替可能です。
タグタイプ:Google アナリティクス: GA4 イベント
イベント名:generate_lead
パラメータ(必要に応じて):
form_type(資料請求、問い合わせフォームなどフォームの種類)
lead_source(展示会、Web 広告など、リード元の特定)
Data Layer 経由での送信(オフライン活動の登録)
オフラインのリード情報をシステム連携でWebサイトに反映させる場合は、Data Layer に以下のような情報をプッシュしてから GTM でキャプチャする方法もあります。
dataLayer.push({
'event': 'generate_lead',
'lead_source': 'expo_event', //例:展示会
'lead_detail': '名刺をスキャン'
});
GTM でイベント名が generate_lead のときに発火するよう、カスタム イベントトリガーを作成し、同様に GA4 イベントタグを送信します。
セールス担当者やマーケ担当者が、CRM 上で「このリードは自社のターゲット要件を満たしている」と判断したタイミング
自動スコアリングシステムなどで「スコアが一定値を超えた場合」に、自動的にリードを「Qualified(見込みあり)」に格上げしたとき
qualify_lead は多くの場合、オフラインや CRM 側で起こるため、Web に紐付けるためにはシステム連携が必要です。
CRM でリードを「Qualified」に設定した際に、Web 側に以下のような Data Layer push を実行するスクリプトを組み込むか、サーバーサイド GTM で受け取ります。
dataLayer.push({
'event': 'qualify_lead',
'lead_id': '12345',
'reason': 'スコアが基準値以上'
});
上記の Data Layer push をトリガーとして、GTM で「カスタム イベント」= qualify_lead を作成します。
イベント名:qualify_lead
パラメータ:
lead_id(CRM 側のリード ID)
qualification_reason(スコアリング結果、またはマーケの判断理由など)
ユーザーが競合他社の社員、またはサービス提供外の地域だったなどの理由でリード対象から外す必要があると判断したとき
自動スコアリングや担当者のヒアリングで、「購買意欲がない」「問い合わせの内容が不一致」などと判明した場合
qualify_lead と同様に、CRM システムで「不適格」と設定したタイミングで、Data Layer イベントを送信します。
dataLayer.push({
'event': 'disqualify_lead',
'lead_id': '12345',
'reason': '対象外地域であった'
});
GTM の「カスタム イベント」= disqualify_lead を作成し、上記 push をトリガーに GA4 へイベント送信します。
GA4 イベントタグ
イベント名:disqualify_lead
パラメータ:
lead_id
disqualification_reason(不適格の理由)
セールスがリードに電話をかけたとき(またはリードから電話を受けたとき)
メールで個別連絡をとったり、オンラインミーティングを設定したとき
店舗や展示場での対面打ち合わせが発生したとき
連絡アクションをトリガーにイベント送信
ユーザーが「電話発信ボタン」をクリックしたタイミングや、「商談予約フォーム」を送信したタイミングに、Web 側でイベントを発火できるケースがあります。
dataLayer.push({
'event': 'working_lead',
'contact_method': 'phone', // 例: phone, email, meeting
'lead_id': '12345'
});
専用の電話トラッキングツールを導入し、発信や着信があった際に Web のタグを発火させる連携を組むことも可能です。
GTM で「カスタム イベント」= working_lead を作成し、GA4 イベントを送信します。
イベント名:working_lead
パラメータ:
contact_method
lead_id
受注、契約、購入といった最終コンバージョンが完了し、「リード → 顧客」に切り替わったとき
BtoB の場合:最終的に契約書が交わされた、PO(Purchase Order、発注書)を受け取ったなど
BtoC の場合:実際に車を購入、保険契約を締結、など
注文完了ページの発火(EC サイトの場合)
EC サイトなどオンライン購入完了画面で close_convert_lead を計測する方法もあります。
dataLayer.push({
'event': 'close_convert_lead',
'lead_id': '12345',
'transaction_id': 'ABC123'
});
BtoB セールスや保険の契約など、オンラインで完結しない場合は、CRM のステータス更新時に Data Layer イベントを発火させるか、サーバーサイド連携で close_convert_lead を送信します。
タグタイプ:GA4 イベント
イベント名:close_convert_lead
パラメータ:
lead_id
transaction_id or order_value(契約金額などが分かる場合)
conversion_channel(オンライン購入、営業訪問、展示会、など)
見込み客と商談した結果、成約には至らなかった場合
試乗やデモを実施したが購入しなかった、および競合他社に流れたなど
営業・契約プロセスが途中で中断された、もしくはキャンセルされた場合
成約に至らなかったリードに対して、CRM でステータスを更新した段階で Data Layer イベントを送信
dataLayer.push({
'event': 'close_unconvert_lead',
'lead_id': '12345',
'reason': '他社に決定'
});
イベント名:close_unconvert_lead
パラメータ:
lead_id
unconversion_reason(他社決定、予算不足、検討延期など)
上記トリガーで GA4 イベントタグを発火し、失注や検討中止の理由を分析可能にします。
以上のように、リード獲得(Lead Generation)の各フェーズを GA4 の推奨イベントとして明確に設定することで、オンライン・オフラインをまたいだリードの状況を把握しやすくなります。
これらのイベント実装では、
オンラインで発生する行動 → GTM のフォーム送信トリガーやクリックトリガーで簡単に対応可能
オフラインで発生する行動 → CRM などのシステムから Data Layer (またはサーバーサイド GTM) にイベントを送信し、GTM で拾う
という仕組みが基本的な流れになります。
各イベントのパラメータに、リード ID や不成約理由などの属性を持たせることで、後々の分析やセグメント分けにも役立ちます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
GA4の活用方法についてのご相談は、こちらまでお願いいたします。
https://and-aaa.com/contact