ソーシャルDAOとは？
仕組みは整った。しかしベストな組織体を作れるかは、その組織の成長次第！
ということで、今回は、ソーシャルDAOに期待しましょうというお話です。
1. DAOとは？
まず、DAOとは「Decentralized Autonomous Organization」の略で、直訳すると「分散型自律組織」となります。これは、中央の管理者や組織が存在しない、インターネット上の組織やコミュニティを指します。主にブロックチェーン技術を活用して運営され、参加者が投票などで意思決定を行うことが特徴です。
2. ソーシャルDAOとは？
「ソーシャルDAO」は、DAOのコンセプトをソーシャルメディアやコミュニティ活動に適用したものです。これにより、コミュニティメンバー同士でディスカッションを行い、活動の方針や意思決定を共同で行うことが可能となります。
3. ソーシャルDAOの特徴
中央集権のない運営：従来のソーシャルメディアやコミュニティは中心となる組織や運営者が存在しましたが、ソーシャルDAOではそのような中央集権的な存在がありません。
トークンによるインセンティブ：ソーシャルDAOでは、トークンを用いて参加者にインセンティブを提供することができます。例えば、アクティブな貢献者にトークンを付与することで、コミュニティへの参加を促進します。
透明性のある意思決定：ブロックチェーン技術を活用することで、どのような意思決定が行われたのか、誰がどのように投票したのかといった情報が公開・確認できるため、透明性が高まります。
4. どんな人が参加できるのか？
基本的には、ソーシャルDAOに興味を持ち、そのルールや目的に賛同する人であれば誰でも参加することができます。しかし、コミュニティによっては特定のスキルや経験を持つ人を求めることもあるでしょう。
5. まとめ
ソーシャルDAOは、ブロックチェーン技術を基盤とした新しい形のコミュニティや組織の形態です。中央集権的な権力を持たず、参加者全員の協力と意思決定によって活動を進めることが特徴です。今後、様々な分野でソーシャルDAOが活用される可能性がありますので、この概念を知っておくと便利でしょう。
6. ソーシャルDAOの例
Friends With Benefits (FWB)
FWBは、クリエイティブなコンテンツ制作者や愛好者を中心としたDAOです。
メンバーはFWBのトークンを保有することで、特典へのアクセスやコミュニティ内の意思決定に参加することができます。
イベントの主催や新しいプロジェクトの提案、さらにはコミュニティ内での教育コンテンツの共有など、多岐にわたる活動が行われています。
Forefront
https://daocentral.com/dao/forefront
Forefrontは、DAOやWeb3.0のエコシステムに関連するニュースや情報、そしてネットワーキングのためのプラットフォームを提供するDAOです。
カリキュラム、イベント、またはコミュニティとのコラボレーションを通じて、Web3.0の世界を深く理解する手助けをしています。
Bankless DAO
https://www.bankless.community/
Bankless DAOは、金融の分散化を目指すコミュニティです。
イベントの開催、教育的なコンテンツの作成、そして金融に関する新しい取り組みを推進しています。
"Bankless"というフレーズは、従来の銀行を必要としない新しい金融の形を指しており、その名の通り、分散型金融（DeFi）の普及を目指す動きをサポートしています。
これらのソーシャルDAOは、特定の目的やビジョンを持つコミュニティメンバーが集まり、共同で様々な活動を進める例として挙げられます。しかし、DAOはその性質上、急速に進化しているので、常に最新の情報をチェックすることが重要です。
素朴な疑問：ソーシャルDAOは民主的だと聞きましたが、一人が、ウォレットを幾つも持っていたら、投票権を幾つも持っていることになるので、民主的ではないと思うのですが、この点は？
DAOやソーシャルDAOに関する投票システムは、完全な民主主義とは異なる場合があります。一部のDAOでは、持っているトークンの量や資金の投入額に応じて投票権が増加する仕組みを取り入れているため、実質的に一部の富裕な参加者が意思決定において大きな影響を持つことができます。このようなシステムは「プルーフ・オブ・キャピタル」や「資本主義的民主主義」とも言えます。
こうした構造がもたらす潜在的な問題には以下のようなものがあります：
中央集権化のリスク：一部の富裕なメンバーが投票権の大部分を持つことで、意思決定が偏る可能性があります。
シビルアタック：一人の参加者が多数のアカウントやウォレットを作成し、投票権を増やすことで、意思決定に不当な影響を及ぼす可能性があります。
しかし、これに対する解決策や改善策が考えられています：
1人1票のシステム：すべてのメンバーが平等な投票権を持つようなシステムを採用することで、富裕な参加者の影響を減少させることができます。
トークンのロックアップ：一定期間トークンをロックアップすることで、短期的な投票操作を防止することができます。
カルテルの形成を防ぐ仕組み：特定の決定については高いクオーラム（賛成率）を必要とすることで、少数の参加者による不正な操作を防ぐことができます。
最終的には、各DAOがその目的やビジョン、メンバーの価値観に応じて、どのようなガバナンスモデルを採用するかを選択する必要があります。ソーシャルDAOや他のDAOのガバナンスには、多様なアプローチが存在し、それぞれのモデルが持つ長所と短所を理解することが重要です。
