弊社CAO中田吉彦が『A/Bテストのプロがハマった落とし穴』にパネラーとして登壇いたしました。

電通デジタル オウンドメディア事業部が開催したセミナー「ABテストJAM/CROのプロが語る!『A/Bテストのプロがハマった落とし穴』」。第1部では、A/Bテストツールベンダー4社の代表がパネラーとして登壇。電通デジタルからはオウンドメディア事業部 CROグループ 好村俊一がモデレーターを務め、A/Bテストの落とし穴や成功するための知見についてディスカッションしました。
本レポートでは、セミナー第1部の内容(一部非公開)をお届けします。

"JAM"セミナー開催にかける思い

"JAM"セミナーは、電通デジタル オウンドメディア事業部 CROグループが推進する「CROマーケット活性化プロジェクト」の一環として行っているセミナーで、今回が初開催となります。
日本のCROマーケットを活性化させたい。そんなCROグループの思いに共感いただいたCROベンダー各社とともに、CROの認知を拡大させるための活動として、開催に至りました。

CRO(Conversion Rate Optimization)とは

CROはConversion Rate Optimization(コンバージョン率最適化)の略で、Webサイトのコンバージョン率(CVR)を高め、売り上げを上げるWebソリューションの1つです。電通デジタルでは「訪問者のCVRを最大化し、売り上げを増やすこと」と定義しています。
Webサイトへ訪れたユーザーを徹底的に知り、ユーザーの"欲しい"に寄り添うことでコンバージョン(CV)の効率を上げ、売り上げ増加に繋げることがCROの目的です。

技術は進歩し、刻々とユーザーの情報選択行動が変化していく中、Webサイト側もユーザーの"欲しい"というインサイトに合わせて日々対応していかなければ、生き残ることは難しくなっていくと予想されます。本セミナーは、次の2点を背景として開催に至りました。

  1. CROの重要性が本格的に認知されるべき時期であること

    ITの進化によって扱えるデータ量は膨大になり、新たな技術がたくさん出現している。しかし、CROの重要性や必要性はまだそれほど認知されていない。

  2. ユーザー目線のUXハックが必要であること

    情報過多の時代が訪れた今、ユーザーはWebサイトの情報を取捨選択する術を身につけている。ユーザーの情報ニーズを満たし、スムーズにCVへ導くためには、ユーザー目線のUX(ユーザーエクスペリエンス)を用いる必要が出てきた。

日本のCROの現状

海外では、CROマーケットは年々拡大しています。しかしながら、日本のCROマーケットは、規模、伸び率ともにまだそれほど大きくなく、予算・ツール導入数などの面で後れているのが現状です。
まず日本では、テクノロジー関連予算に月間10万円以上かけている企業は13.55%(DatanyzeをもとにDLPO社調べ:2019年5月1日時点)。これはUSの半分程度となります。
さらに、CROに欠かせないツールであるA/Bテストツールを見てみると、導入サイト数はUSの62,031件に対して、日本は3,722件(DatanyzeをもとにDLPO社調べ:2019年5月1日時点)と、これについても後れをとっているのが見えます。
欧米においては、今後もCROマーケットシェアの拡大が見込まれており(WISE GUY REPORTS:Global Conversion Rate Optimization Software Market Size, Status and Forecast 2019-2025)、このままでは今後、ますます日本と海外の差が広がっていく可能性も考えられます。

日本国内でさらなるCROの取り組みを推進し、マーケットを活性化していくためには、CRO業界全体で対策していく必要があります。

日本でCROへの取り組みが後れている理由とは?

日本企業のCROへの取り組みは、なぜ後れているのでしょうか。CROグループでは、さまざまな要因があり正解はないとした上で、おおむね下記2つに整理できるのではないか、と分析しています。

  1. リソース的要因

    • CROができていると思い込んでいる

    • CROのやり方がわからない

    • CROを実施できる人がいない

    • 広告ではないため、予算が取りにくい

    • 経営層の理解が得られない

  2. 文化・理解的要因

    • CRO施策の成功体験がない

    • 以前にCROに取り組んで失敗した

    • Web改善のための専属チームが存在しない

    • A/Bテストを実施すること自体が目的になっている

    • CROよりもリニューアルしたほうがいいのではないかと考えている

前述のとおり、時代やユーザーの行動は変化しています。企業の売り上げを増やすには、変わりゆくユーザーの"欲しい"に対応していくことが求められており、自己流や昔ながらのCROでは通用しない時代になりつつあります。
「正しいCRO」を日本のマーケットへ広く伝えていくことで、ユーザー・企業・パートナーの多方面へ、多大な価値を提供していきたいと、CROグループは考えています。